米粉【胃腸の働きを助ける、体に優しいエネルギー補給源】

グルテンフリーで消化に優しく、さまざまな体質の方に応用できる「米粉」。
薬膳の視点からも、脾胃を補い、体に負担をかけにくい優秀な素材です。

こんな人におすすめ
  • 胃腸が弱い、お腹を壊しやすい
  • 小麦アレルギー・グルテンが気になる
  • 疲れやすく、エネルギー不足を感じる
  • 産後や回復期で消化の良い食事が必要
  • 子どもや高齢者のおやつ・ごはんの代用
こんな人は注意
  • 体が重だるい、口が粘る、吹き出物が出やすい(湿熱)
  • 糖質制限をしている
  • 血糖値が気になる
目次

米粉の効能

主な働き

体に優しく、胃腸の働きを助けながらエネルギーを補給
身体を冷やしすぎず、負担の少ない炭水化物源として◎

加熱時のもちもち食感と吸収の良さも特徴。

スクロールできます
薬膳的な効能詳細
健脾益気(けんぴえっき)胃腸を元気にし、エネルギー吸収を助ける
和胃(わい)胃の働きを整える
補中(ほちゅう)体の中心=消化器をサポートする
潤肺(じゅんぱい)身体を乾燥から守り、潤いを保つ

帰経(主に作用する臓器)

脾・胃・肺 に作用し、腸や胃腸全体、呼吸器の調整に関わる。

薬効データ(性味・五味)

  • 性質:平性(穏やかに体を整える)
  • 五味:甘味(ゆるやかに補う)

食材データ(旬・選び方)

  • 旬:通年
    新米は8〜11月が多いが、加工技術により通年手に入りやすい。
     
  • 選び方:製菓用・製パン用で粒子の細かさも仕上がりもまったく異なるため、用途に適したものを選ぶ。
    米の品種によっても吸水率が異なるため、レシピと品種が違う米粉を使うと生地の硬さが違う可能性あり。
     
  • おすすめの時期:通年

体を温めも冷やしもしない「平性」で、胃腸にやさしく季節を問わず使える主食素材。組み合わせる食材や調理法によって、春夏秋冬それぞれの養生にも活用できます。

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栄養学的な特徴

  • 消化吸収が良く、胃腸に優しい
  • グルテンフリー(小麦不使用)
  • 炭水化物が主成分でエネルギー源に
  • 食物繊維は少なめなので、野菜や豆類で補うと◎

食べ合わせ

「相性が良いからたくさん食べても良い!」「相性が悪いから、絶対食べちゃダメ!」

というわけではなく、その時の食べる人の体質に合わせて調整することがポイントです。

相性の良い食べ合わせ

  • 甘酒:
    エネルギーを補う米粉 × 血を補う甘酒で、胃腸を優しく支えながら血と気を補うバランスの良い組み合わせ◎
     
  • 黒ごま・きなこ:
    緩やかに補う米粉と、血や潤いを補う黒ごまやきなこは、潤いと美肌もサポートできる組み合わせ◎
     
  • 豆乳:
    豆乳は潤いを補う作用があり、さらには米粉には無い大腸・腎にアプローチできる。そのため、組み合わせることで消化器に優しく、たんぱく質と潤い補給ができる。
     
  • 卵:
    心身の安定や体力回復に良い卵 × エネルギーを補う米粉 の組み合わせで、体の根本から立て直すケアに◎
     
  • なつめ:
    血を補い精神を安定させてくれるので、米粉と合わせることで 胃腸・血・心のケアに◎

注意したい食べ合わせ

  • 脂質の多い食材:
    米粉自体は消化に良いが、油分が多すぎると“湿(胃もたれ・だるさ)”を生みやすい。そのため、特に胃腸が弱い人や重だるさが気になる人は注意。

症状別⭐︎簡単レシピ

便秘・疲れやすい人に:米粉とバナナの蒸しパン

  • 材料:米粉、バナナ、甘酒、ベーキングパウダー
  • 作り方:すべてを混ぜてカップに入れ、蒸し器で15分蒸す

冷え性さんに:米粉と黒糖の生姜クッキー

  • 材料:米粉、黒糖、すりおろし生姜、菜種油
  • 作り方:まとめてこね、型抜きして焼くだけ

体調回復期に:米粉と甘酒のしっとりケーキ

  • 材料:米粉、甘酒、豆乳、米油、なつめ・くるみ
  • 作り方:混ぜて型に流し、オーブンでしっとり焼き上げる

製菓材料としての米粉

米粉は、製菓の世界でも人気が高まっているグルテンフリー素材のひとつです。小麦粉に比べて粒子が細かく、クセのない味わいが特徴で、しっとりとした食感の焼き菓子や、もちもち感のあるスイーツ作りに向いています。

体力をつけたい時や、疲れやすい時の養生スイーツ作りにもおすすめの食材。お米本来の自然な甘みを活かしながら、やさしい口当たりのお菓子を作ることができます。

米粉の主な特性

  • 粒子が非常に細かく、なめらかな生地に仕上がる
  • グルテンを含まないため、ふんわり感はやや弱いが、しっとり感やもちもち感が出やすい
  • 小麦粉に比べて油分や水分を吸収しにくく、胃腸に負担をかけにくい軽やかな仕上がりになる
  • 焼き縮みが少なく、形をきれいに保ちやすい
  • クセが少ないため、素材の風味をストレートに生かせる
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米粉をお菓子に使うときのポイント

水分量の調整に注意

米粉は小麦粉に比べて水分を抱え込みにくいため、生地が緩くなりやすい傾向があります。レシピによっては水分量をやや控えめにしたり、加える水分を少しずつ調整しながら仕込むと失敗しにくくなります。

ふんわり仕上げたい場合は工夫を

米粉単体ではグルテンのような強い構造が作れないため、ふんわり感を出したいときは、卵の泡立てやベーキングパウダーの力をしっかり活かすことがポイント。泡をつぶさないようにやさしく混ぜるのがコツです。

もちもち感

米粉の特性を活かして、もちもち感を楽しむお菓子作りもおすすめです。蒸しパン、どら焼き生地、和風クレープなどに応用できます。

生地をしっかり休ませる

米粉は吸水に少し時間がかかるため、生地を混ぜたあと5〜10分程度休ませると、よりなめらかで安定した仕上がりになります。

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