【2月】春の準備はここから。巡りを整える「気滞」ケアの薬膳養生

寒さが残る2月。でも、少しずつ日が長くなり、春の気配を感じる頃。

この時期、気温とともに私たちの体も少しずつ春モードへ向かっています。

2月は「春への準備期間」として、心と体の巡りを整えておくことがとても大切です。

目次

2月に起こりやすい不調

寒暖差や気圧の変化が激しい2月。

「なんとなくイライラ」
「落ち込みやすい」
「お腹が張る」

などの症状が出やすくなります。

  • 気分が不安定・イライラ・落ち込みやすい
  • 頭痛・肩こり・胸のつかえ感
  • お腹の張り・ガス・月経前の不調
  • 冬の間にたまった“どんより感”が残っている

これらは、「気滞(きたい)」という、気の流れの滞りが関係しているかもしれません。

なぜ2月に「気滞」が起こりやすいの?

「気滞(きたい)」とは、気の流れが滞ってしまう状態のこと。

2月はこの「気滞」が特に起こりやすい時期といわれています。
その理由をお伝えします。

季節の変わり目で「肝(かん)」が揺れやすい

春は「肝(かん)」が活発になる季節。

肝は、気の巡りや感情のコントロールを担う臓ですが、2月のような季節の変わり目はこの肝のバランスが乱れやすく、イライラ・落ち込み・月経トラブルなどが起こりやすくなります。

冬の間に「巡らせる力」が落ちている

寒い冬はどうしても体を動かす機会が減り、巡りが鈍くなりがち。

また、温かいものをとっていても、運動不足やストレスで気の流れが停滞している人は多く、春を迎える前に“気が渋滞している”ような状態になりやすいのです。

日照時間や環境の変化によるストレス

2月はまだ寒く、日も短く、心も閉じこもりがち。

そのうえ、年度末や春に向けた変化への不安も重なり、ストレスが「気滞」を引き起こす引き金になることもあります。

「気の巡り」を整える2月の養生

気滞に陥りやすい2月は、冬の間に縮こまった心と体を、少しずつのびやかに、春に向けて開いていくためには、「気」をスムーズに巡らせることがポイントです。

気の巡りをよくする習慣

  • 香りの良いハーブティーやアロマでリラックス
     
  • 軽いストレッチや深呼吸で体をゆるめる
     
  • 朝日を浴びる、少しだけ外に出る時間をつくる

食事で気滞をケア

  • 香味野菜や柑橘で、気分もお腹もすっきり
     
  • 温かいスープで巡りと血流をサポート
     
  • 酸味と香りのある食材を少しだけ取り入れる

2月におすすめの食材と理由

気を巡らせる香りのある食材

  • しそ・みょうが・春菊:巡りとリフレッシュに◎
     
  • 陳皮(乾燥みかんの皮):胃のもたれや気滞に
     
  • レモン・ゆず・オレンジ:香りと酸味で心をほぐす

肝をサポートする緑の野菜

  • 小松菜・菜の花・せり:春の苦味で肝を整える
     
  • キャベツ・ブロッコリー:ストレスが胃にくる人にも

体をゆるめて温める食材

  • しょうが・ねぎ:まだ寒さが残る時期に
     
  • なつめ・山芋:気の巡り+疲労回復にも

まとめ:春を快適に過ごす準備を

2月は、まだ冬の名残がありつつも、春に向けて体も心も変化し始める時期です。

このタイミングで「気の巡り」を整えておくことで、春の不調やゆらぎを防ぎやすくなります。

あたたかく香りのある食材や、心をゆるめる暮らしの工夫で、少しずつ春を迎える準備をしていきましょう^^

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