【9月】秋の入り口。乾燥と季節の変わり目にそなえる薬膳ケア

夏の暑さが少しずつ落ち着き、朝晩に涼しさを感じるようになる9月。

でもこの時期、

「なんだか体調が安定しない」
「風邪をひきやすい」
「肌やのどが乾く」

と感じる方も多いのではないでしょうか。

薬膳では、9月は秋のはじまりであり、「肺」と「脾」にやさしくすることが大切な時期とされています。

夏に消耗した体力を回復させつつ、秋に増えてくる「乾燥」の影響から体を守る準備をしましょう。

目次

9月に起こりやすい不調

季節の変わり目は、自律神経もゆらぎやすく、体も心も敏感になりがちです。

  • のどの乾燥・声のかすれ
  • 空咳・肌の乾燥・便秘気味
  • 風邪をひきやすい・だるさが残る
  • 食欲が乱れる・胃腸の調子が不安定

これらは「乾燥」と「脾の弱り」が原因です。

なぜ9月は「乾燥」と「脾の弱り」が起きやすいの?

夏の冷えと冷たい飲食で胃腸の働きが低下

夏の間に冷たいものを摂りすぎたり、冷房の効いた環境に長くいたことで、脾(消化機能)が弱り、乾燥の影響を受けやすくなります。

秋の乾いた気候がのど・肌・腸に影響

湿度が下がり空気が乾燥することで、うるおいが奪われ、乾燥による不調(咳・肌トラブルなど)が出やすくなります。

気温・湿度の差で自律神経が乱れやすい

夏の終わりから秋にかけては、日中と朝晩の気温差が大きくなります。自律神経が乱れ、免疫が落ち風邪をひきやすく、胃腸のバランスも崩れやすくなります。

秋の入り口に大切なケア

薬膳では、「肺をうるおす」ことと、「脾を整える」ことが9月の養生のポイントです。

肺をうるおす

  • 乾燥しはじめる季節。のどや肌、腸のうるおいを守る
     
  • 咳が出るときや声が枯れやすいときにも意識したい
     
  • 水分補給は常温または温かい飲み物で

脾をいたわる

  • 夏の冷え・冷たい飲食で疲れた胃腸をやさしくケア
     
  • 甘すぎ・脂っこすぎな食事は控えめに
     
  • 温かく消化にやさしい食事を心がける

9月におすすめの食材と理由

この時期におすすめなのは、「うるおい」「やさしい甘さ」「整える力」をもつ食材たち。

肺をうるおす食材(乾燥・咳・便秘対策)

  • :のど・肺・肌をうるおし、軽い咳にも◎
     
  • 白きくらげ:うるおい補給の代表食材、美肌にも
     
  • れんこん:咳・乾燥にやさしく、整腸作用も
     
  • はちみつ:のどのケアと甘みのバランスに

脾を整える食材(胃腸・疲労対策)

  • かぼちゃ・さつまいも:やさしい甘みで胃腸の力を補う
     
  • 大豆・とうもろこし・山芋:夏バテ回復と消化のサポート
     
  • なつめ・黒豆:元気が出ない、疲れが抜けない人に

香りの良い食材で気を巡らせる

  • しそ・みょうが・ゆず:気分が沈みやすいときのリフレッシュに
     
  • 陳皮(乾燥みかんの皮):気の巡りと胃腸の調子を整える

まとめ:秋のはじまりは「うるおい」と「ととのえる」がキーワード

9月は、夏の疲れがまだ残る中で、秋の乾燥も少しずつはじまる難しい季節です。

薬膳の知恵をヒントに、「乾燥から守る」「内臓を休ませる」「気分を整える」ことを意識して、体をやさしくととのえていきましょう。

次の季節を元気に迎えるための準備期間として、からだ想いの食と暮らしを大切にしてみてくださいね^^

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