白胡麻【便秘や乾燥対策に】

白胡麻は、古くから健康維持に役立つ食材として親しまれています。​特に肺や大腸を潤し、便通を良くする効果が期待できます。

こんな人におすすめ
  • 肌や喉の乾燥が気になる(陰虚)
    →体を潤す作用があり、乾燥からくる肌や喉の不調を和らげる。
     
  • 便秘がち(陰虚)
    →大腸を潤し、自然な排便を促す。​
  • 疲れやすく、エネルギー不足を感じる(気虚)
    →白胡麻に含まれる良質な脂質がエネルギー補給をサポート。
こんな人は注意
  • 下痢をしやすい方、胃腸が弱い(脾気虚)
    →白胡麻の油分が消化不良を引き起こす可能性があるため、摂取量に注意が必要。
  • むくみ、だるさが続く(痰湿)
    →白胡麻の油分が湿を助長するため、特に胃腸が弱っていると余計にだるくなる。
目次

​白胡麻の効能

主な効能

  • 潤肺(じゅんぱい):
    肺を潤し、乾燥による咳や喉の不調を改善する。
     
  • 潤腸通便(じゅんちょうつうべん):
    腸に潤いを与え、自然なお通じを促す。
      
  • 生津(しょうしん):
    体内の津液(潤い)を増やし、口渇や喉の渇きを癒す。
     
  • 解毒(げどく):
    体内の毒素を和らげて排出する。
     
  • 生肌(せいき):
    肌を育て、潤いを保つ。

帰経(主に作用する臓器)

  • 肺:呼吸器系を潤し、機能をサポート。
     
  • 大腸:消化器系の働きを助け、便通を整える。

薬効データ

  • 性味:涼性(体の熱を冷まし落ち着かせる)
     
  • 五味:甘味(補う)

食材データ(旬・選び方・おすすめの季節)

  • 旬:9〜11月
    乾物(種子)なので、酸化に注意すれば長期保存が可能。そのため、通年手に入りやすい。
     
  • 選び方:粒がふっくらとして大きさが均一なもの。
     
  • おすすめの季節:秋・冬・春

特に秋におすすめ。白ごまは潤肺・潤腸・補血作用があり、乾燥による咳・のどの違和感・便秘・肌トラブルの予防に役立ちます。また、春には肝を補う「補血」効果で、気の巡りや情緒安定をサポーし、冬には腎を補い、寒さに備える体づくりにも◎(黒ごまの方がより冬向きですが、白ごまも使えます)

  • 白胡麻との違い
スクロールできます
黒胡麻白胡麻
香り・風味香ばしくコクがあるマイルドで甘みがある
消化性やや重め(脾虚には注意)比較的軽め(万人向け)
薬膳的な効能補腎・養血・潤腸・養肝・益精
肝と腎をサポート、美容・老化予防に◎
生肌・潤腸・通便・健脾
脾と肺をサポート、疲労時の回復に◎
栄養学的な特徴セサミン・アントシアニンが豊富で、
抗酸化作用が高い。
カルシウムやビタミンB群を含み、
骨の健康をサポートする
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栄養学的な特徴

  • セサミン:強い抗酸化作用を持ち、老化防止や生活習慣病予防に◎
     
  • カルシウム:骨や歯の健康維持に必要なミネラルを豊富に含む。
     
  • 脂質:脂質が高く、良質な不飽和脂肪酸を豊富に含む。
     
  • ゴマリグナン:体内の脂質の酸化を防止。
  • ビタミンE:抗酸化作用があり、老化防止や美肌効果が期待できます。

食べ合わせ

「相性が良いからたくさん食べても良い!」「相性が悪いから、絶対食べちゃダメ!」

というわけではなく、その時の食べる人の体質に合わせて調整することがポイントです。

白胡麻と相性の良い食べ合わせ

「潤い+巡り」や「潤い+胃腸のサポート」系の組み合わせが◎

  • 甘酒:
    胃腸の働きをサポートする甘酒+潤い効果の白胡麻で、 体を優しく潤して整える。
     
  • はちみつ:
    風邪や喉トラブルにも◎
     
  • 柑橘類:
    気を巡らせ消化を助けてくれるため、潤いすぎを防いでバランスよく便通を良くしてくれる。
     
  • 生姜:
    胃腸を温めながら潤い補給◎
     
  • 山芋(長芋):
    消化を助けながら気も補ってくれる

白胡麻と相性の悪い食べ合わせ

  • 冷たい牛乳:
    白胡麻の油分+牛乳の脂肪で胃腸に負担&冷えのもとに。
    温めて使うか、豆乳やオーツミルクで代用するのがおすすめ。
     
  • 揚げ物・油多めの料理:
    白胡麻の油と重なり、脂のとりすぎで体に湿気が溜まりやすくなる。
     
  • たっぷりのお砂糖:
    せっかくの潤い効果を糖分で台無しに。喉がさらに乾いてしまう。
    甘みは、はちみつ・甘酒・黒糖で代用がおすすめ。

症状別⭐︎簡単レシピ

胡麻は粒で食べると消化吸収が悪いため、殻をすりつぶしてすりごまや練りごまにして頂くのがおすすめです。

乾燥による喉の不調、空咳、乾燥対策

白胡麻とはちみつのホットドリンク

白胡麻×はちみつで潤い効果◎

材料(1人分)

  • 白すり胡麻 … 大さじ1
  • はちみつ … 大さじ1
  • お湯 … 150ml
  1. カップに白すりごまとはちみつを入れる。
  2. お湯を注ぎ、よく混ぜて完成。

冷えが気になる人は、温かい状態でいただきましょう。
温めた豆乳+生姜 or シナモンで、胃腸を温めながら潤い補給もできます♩

白胡麻と春菊の白和え

春の乾燥対策に。胃腸に優しく、潤いと鉄分・カルシウムも補える。

材料(2〜3人分)

  • 春菊 … 1/2束
  • 木綿豆腐 … 1/2丁
  • 白すりごま … 大さじ2
  • みそ … 小さじ1
  • はちみつまたはきび糖 … 小さじ1(お好み)
  • 塩 … 少々
  1. 豆腐はキッチンペーパーで包み、重しをして水切り(10分程度)
  2. 春菊は茹でて、水にさらしてから食べやすくカットする
  3. ボウルに豆腐、白ごま、みそ、甘味、塩を入れて混ぜる
  4. 春菊を加えて和えたら完成!

便秘

白胡麻とさつまいものヨーグルト和え

さつまいもの食物繊維×白胡麻の潤腸作用で、便秘解消に◎

材料(2人分)

  • さつまいも … 100g
  • プレーンヨーグルト … 100g
  • 白すりごま … 大さじ2
  • はちみつ … 小さじ2
  1. さつまいもは一口大に切り、柔らかくなるまで蒸す。
  2. ボウルにヨーグルト、白すりごま、はちみつを入れて混ぜる。
  3. 蒸したさつまいもを加え、和えて完成。

製菓材料としての白胡麻

白胡麻は、やさしい香ばしさとまろやかなコクを持ち、製菓において幅広く活用される素材です。黒胡麻に比べてクセが少なく、色合いも淡いため、生地の色をきれいに保ちながら風味と栄養をプラスできるのが大きな魅力。

ナチュラルな味わいを生かしたスイーツ作りに適した食材で、乾燥が気になる季節や、体力が落ちやすい時期のおやつにもぴったりです。

白胡麻の特性

  • 高脂肪・高たんぱくで、コクとしっとり感を与える
  • 香りは穏やかで、さまざまな生地や素材になじみやすい
  • 香ばしさとまろやかなコクを手軽に加えられる
  • すり胡麻やペースト状に加工することで、クリーミーな食感が出せる

白胡麻をお菓子に使うときのポイント

焙煎して香りを引き出す

白胡麻は軽く焙煎することで、香ばしさと自然な甘みがより際立ちます。使う直前にさっと煎ると、風味豊かな仕上がりになります。

油脂分を活かしてしっとり感を出す

白胡麻に含まれる天然の油脂が、焼き菓子にしっとりとした口当たりをもたらします。生地に練り込む際は、バターやオイルの配合を微調整するとより軽やかに仕上がります。

水分調整に注意する

すり胡麻やペーストは水分を吸いやすく、生地を硬くする傾向があります。豆乳や牛乳などの水分を少し増やして調整すると、しっとりした焼き上がりを保てます。

合わせる素材で味わいを広げる

白胡麻は、きなこ、抹茶、はちみつ、アーモンドなどと好相性です。まろやかで奥行きのある甘さを引き出します。生地やクリームの色を損なわず、ナチュラルで上品な味わに仕上がります。

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