
甘酸っぱく人気のあるいちごは、薬膳の視点でも「うるおいを補い、体の余分な熱を冷ます」働きがあります。春から初夏にかけて旬を迎え、特に乾燥やほてりが気になる人におすすめです。
- 乾燥しやすい(陰虚)
- 体に熱がこもりやすい
- 春〜初夏にのぼせやすい
- 美肌を目指したい
- 冷えが強い
- 胃腸が極端に弱い
- 下痢しやすい
- 糖質制限中(食べすぎ注意)
いちごの効能
主な働き
体をうるおし、余分な熱を冷まし、心を穏やかに整えます。
美容や、春の乾燥ケアにも優れた効果を発揮します。
薬膳的な効能 | 詳細 |
---|---|
健胃(けんい) | 胃腸の働きを整え、食欲を増進させる |
消食(しょうしょく) | 胃食べ過ぎや消化不良を助け、胃腸の負担を軽減する |
解暑(かいしょ) | 暑さによる体のだるさや熱感を取り除き、体を涼しく保つ |
止渇(しかつ) | 喉の渇きや口の乾き、体内の水分不足をうるおす |
帰経
肺・脾・心に作用し、呼吸器や消化機能の調整、精神の安定に関わる。
薬効データ(性味・五味)
- 性質:涼性(体の熱を冷ます)
- 五味:甘性・微酸性(補いつつ、やや締める作用がある)
食材データ(旬・選び方・おすすめの時期)
- 旬:春〜初夏(3月〜6月頃)
- 選び方:艶があり、ヘタが鮮やかな緑色で張りのあるもの
- おすすめの季節:春(3〜5月)
乾燥しがちな春の肌や喉をうるおし、甘酸っぱさが気の巡りを助けて熱感や渇きを和らげます。冷えやすい人は温性食材との組み合わせがおすすめ。
栄養学的な特徴
- ビタミンCが非常に豊富(免疫力・美肌効果)
- 葉酸を含み、血を養う
- カリウムを含み、むくみ対策に◎
- 食物繊維もあり、腸内環境を整える
食べ合わせ
「相性が良いからたくさん食べても良い!」「相性が悪いから、絶対食べちゃダメ!」
というわけではなく、その時の食べる人の体質に合わせて調整することがポイントです。
相性の良い食べ合わせ
- 甘酒(うるおい補給+胃腸ケア)
- 豆乳(うるおいとたんぱく質補給)
- 白きくらげ(うるお肺・美肌サポート)
- なつめ(補血・精神安定)
- ヨーグルト(腸活・免疫サポート)
注意したい食べ合わせ
- 冷たいもの(アイス・冷たい飲み物)
いちごは体を冷やす性質なので、一緒に取りすぎないようにする。
製菓材料としてのいちご
いちごは、その鮮やかな色合いと甘酸っぱい風味で、スイーツに華やかさとみずみずしさを与える素材です。乾燥が気になる季節や、疲れやすいときのおやつにもぴったり。
生のままデコレーションに使うだけでなく、ピューレやジャムに加工して生地に練り込んだり、ムースやゼリー、タルトなど幅広いスイーツ作りに活躍します。見た目にも香りにも華やかさを添える、季節感あふれる食材です。
いちごの主な特性
- 甘みと酸味のバランスが良く、スイーツ全体の味わいにメリハリをつけられる
- 鮮やかな赤色で、見た目にも華やかな仕上がりにできる
- フレッシュでも加熱しても楽しめるが、加熱すると香りが飛びやすい
- 加熱や時間経過で色が変わりやすい
いちごをお菓子に使うときのポイント
水分量を考慮する
いちごは水分が多いため、そのまま加えると生地が緩くなったり、分離する原因になります。ピューレを使う場合は、必要に応じて軽く煮詰めて水分を飛ばしてから加えると安定します。
香りを活かす工夫
いちごの香りは加熱に弱いため、ムースやクリームなど低温で仕上げるお菓子に使うと風味をしっかり残せます。加熱する場合は、ジャムやコンフィチュールにしてしっかりと香りと甘みを凝縮させるのがポイントです。
色をきれいに保つ
いちごは時間が経つと色がくすみやすいため、レモン汁を加えてpHを調整したり、短時間で仕上げるときれいな赤色を保ちやすくなります。
フレッシュと加工の使い分け
生のいちごは、デコレーションやサンドなど仕上げに使うのがおすすめです。加工用には少し完熟に近いものを選び、甘みと香りを活かしてジャムやピューレにすると、濃厚な味わいが楽しめます。
うるおいを補うなら「焼く」より「蒸す」
乾燥するオーブンの熱で焼き上げると香ばしさはUPしますが、一部の水分・うるおい成分が飛んでしまいます。
そのため、うるおいうるおい・美肌・乾燥対策目的の場合は、湿熱でふっくらしっとりと仕上げる「蒸す」調理法がおすすめです。
いちごを使ったスイーツ
