【体質別】喉の不調とセルフケア

朝起きたら喉がイガイガしたり、乾燥してつらかったり、なんとなく使えた感じがしたり…。

季節の変わり目になると、そんな「喉の不調」を感じる方が増えてきます。

「風邪かな?」
「声を使いすぎたかな?」

そう思ってトローチやのど飴を試してみても、なかなかスッキリしないことってありますよね。

中医学では、こうした喉の不快感も、体からの小さなサインとして捉えます。

実は、喉の痛みには、体質や生活習慣が大きく関係していることもあるんです。

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喉の痛みは「体のバランスの乱れ」が原因かも?

中医学では、体の中を「気(エネルギー)」「血」「水(うるおい)」が巡っていると考えます。

そのバランスが崩れたときに、不調として現れるのが喉の痛みということも。

たとえばこんなサイン、思い当たることはありませんか?

  • 疲れがたまっていて、体がだるい
  • ストレスが多く、ため息ばかり出る
  • 空気が乾燥していて、喉がカサカサ
  • 甘いもの・脂っこいものを食べすぎた

このような体や心の状態によって、喉の痛みの原因も人それぞれ変わってきます。

ここからは、いくつかのタイプ別に「喉の痛みの特徴」と「セルフケアのヒント」をご紹介していきますね。

中医学の視点から見る「喉の痛み」のタイプと対策

乾燥によるヒリヒリタイプ(陰虚)

乾いた空気や、体のうるおい不足が原因で起こる喉の痛みです。
寝る前や夜中に悪化しやすく、声がかすれる・乾いた咳が出るといった特徴があります。

体の内側からうるおいを補って、ほてりや渇きを優しく鎮めてあげましょう。

  • 白きくらげ、豆乳、梨、百合根など“うるおい食材”をとりましょう
  • 寝不足を避けて、しっかり休息を撮りましょう
  • 甘味は甘酒やなつめなど、自然なものをチョイス
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痰や粘つきが気になるタイプ(痰湿)

喉に痰が絡んだり、イガイガ・ネバネバした不快感がある場合は、体に“湿”がたまっているサインかもしれません。
甘いものや脂っこい食事をとり過ぎた時も、“湿”がたまりがちになります。

体の余分な水分をスッキリさせて、胃腸をいたわる食事を意識しましょう。

  • はと麦、大根、とうもろこし、しそ など
  • 温かい飲み物で内臓を冷やさないように
  • 遅い時間の間食は控えめに
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ストレスで喉がつまるタイプ(気滞)

イライラやため息が増えたり、喉に詰まり感や違和感がある時。
ストレスで「気(エネルギー)」の流れが滞っている状態です。

香りの良い食材やハーブティーを取り入れて、“気”をふんわり巡らせてあげましょう。

  • 柑橘の皮(陳皮)、ゆず、ジャスミンティー、ローズなど
  • リラックスする時間や、深呼吸も大切
  • 「心がほっとする甘味」を意識して選んでみてください
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熱がこもって、ヒリヒリするタイプ(実熱)

風邪のひきはじめや、寝不足・ストレスが重なったときに起こりやすい喉の痛みです。
赤く腫れて、焼けるようなヒリヒリ感が特徴。咳や微熱を伴うこともあります。

体にこもった“熱”を優しく冷まして、喉をうるおしてあげましょう。

  • 梨、白きくらげ、豆腐などでうるおい補給
  • ミントティーや緑茶でクールダウン
  • みりんや甘酒など、自然な甘さを選ぶのもおすすめ

喉をいたわるスイーツ

喉の不調を感じたときは、ほんの少し立ち止まって、今の自分の状態に気づいてあげるタイミング。

薬膳の知恵を活かしたやさしいおやつで、心と体を優しく整えてあげましょう。

声を出すこと。
呼吸すること。
食べること。

どれも、喉を通して行われる大切な営みです。

だからこそ、不調があらわれたときは、

「がんばりすぎてない?」
「うるおい、足りてる?」

そんなふうに、自分の内側からの声に耳を傾けてあげてください。

薬膳の知恵は、難しい理論ではなく、日々の“ちょっとした選び方”からはじまります。

その第一歩として、体にやさしいおやつで、喉と心をいたわることを楽しんでみてくださいね。

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