
白玉粉は、もち米を原料とした和の伝統的な製菓材料で、もちもちとした食感とやさしい甘みが特徴です。
中医学では「脾(胃腸)」の働きを助け、「気」や「津液(体内の潤い)」を補うとされ、暑さや乾燥による疲れからくる体力の低下や乾燥感を和らげる効果があります。
ふんわり、もっちりとした食感で消化にも良いため、体調が優れない時にもぴったりの食材です。
- 胃腸が弱く、疲れやすい
- 乾燥肌やのどの渇きを感じやすい
- 食後すぐにお腹が空く(脾気虚 or 胃火過盛)
- 糖質制限中の方
- 運動量が少なく、太りやすい方
- 血糖値を気にしている方
白玉粉の効能
主な働き
薬膳的な効能 | 詳細 |
---|---|
益気(えっき) | 気を補い、疲労回復を助ける |
滋陰(じいん) | 陰を補い、乾燥やのぼせを防ぐ |
潤肺(じゅんはい) | 肺を潤し、乾燥による咳や喉の渇きを防ぐ |
益胃(えきい) | 胃の働きを助け、栄養の吸収を助ける |
生津(せいしん) | 津液を生み出し、体の潤いを保つ |
帰経
肺・胃・腎に作用し、全身のエネルギーと潤いのバランスを整える
薬効データ(性味・五味)
- 性質:平性(体を温めも冷やしもしない)
- 五味:甘味(補気・滋養)
食材データ(選び方・おすすめの季節)
選び方:国産米100%で、それ以外の混ざり物がないものがおすすめです。
おすすめの季節:主には夏(5〜9月)、調理の仕方次第では通年楽しめる食材です。
冷やしても喉越しが良く、果物や豆類と組み合わせた清涼感のある薬膳スイーツに最適。ただし体が冷えやすい人は温かいトッピングと一緒に楽しみましょう。
団子汁やお汁粉など、温かく仕立てれば秋冬にもぴったり。季節によって組み合わせる食材を変えれば、1年を通して楽しめます。
栄養学的な特徴
- 主成分は炭水化物(でんぷん)でエネルギー補給に役立つ
- ビタミン・ミネラル・タンパク質は微量
- 低脂質・無添加・シンプルでアレルゲンも少ない
白玉粉は、もち米を原料としたシンプルな炭水化物源で、栄養素としては炭水化物がほとんどを占めます。ビタミンやミネラル、タンパク質はごく少量しか含まれておらず、栄養価が特に高い食材とはいえません。
しかし、脂質や添加物を含まず、アレルゲンが少ない点や、温かく調理すれば胃腸にやさしい点が特徴です。
体力が落ちているときや、食欲がないときでも食べやすく、「優しいエネルギー源」として心と体を穏やかに満たしてくれる存在です。
食べ合わせ
「相性が良いからたくさん食べても良い!」「相性が悪いから、絶対食べちゃダメ!」というわけではなく、その時の体質に合わせて調整することがポイントです。
相性の良い食べ合わせ
- あんこ(小豆):利尿・補血・疲労回復
- 黒ごま:補腎・美肌効果
- はちみつ:潤いを与え、喉や肺をサポート
- 果物(マンゴー・いちごなど):清熱・ビタミン補給
注意したい食べ合わせ
- 高脂肪クリーム系:消化の負担になりやすい
- 油っこい食材:体に湿を溜めやすくなる
ほか、甘味と炭水化物が多く、過食すると「湿」を生みやすいので、1人分をほどよく頂きましょう。
製菓材料としての白玉粉
白玉粉は、水と練ってゆでるだけで簡単に使える点が魅力。冷やしても硬くなりにくく、スイーツのトッピングとしても人気です。
白玉粉の主な特性
- もちもちとした弾力のある食感
- 無味に近い優しい甘味で、どんな素材とも相性が良い
- 白く美しい見た目が上品さを演出
お菓子に使うときのポイント
食感を保つ工夫
白玉粉を使った団子は、茹でた直後が最も柔らかく、弾力があります。茹でたらすぐに冷水にとって締めることで、よりなめらかでもちもちとした食感に仕上がります。
また、長時間放置すると固くなるため、作り置きよりも「食べる直前に茹でる」のがベストです。
長時間保存する場合は、砂糖やはちみつで軽く甘味をつけたシロップに浸しておくと、乾燥を防ぎやすくなります。
色と味のアレンジ
白玉粉は無味無臭に近いため、他の食材との組み合わせでさまざまな表情を楽しめます。
- 抹茶・ほうじ茶:苦味と香ばしさで大人味に。気を巡らせ、リラックス効果も。
- かぼちゃ・紫芋・にんじん:色鮮やかで自然な甘み。胃腸にやさしく、補気作用もプラス。
- ココア・黒ごま:コクのある風味に変化。血を補い、肌や髪にも◎。
彩りや味わいにバリエーションを加えることで、見た目の楽しさや栄養的なバランスも高まります。
組み合わせ次第で体質別アレンジも
白玉粉はクセがないため、薬膳的に相性の良い食材と組み合わせやすい素材です。
湿熱タイプには
→ 緑豆やはと麦、柑橘類で清熱・利湿
気虚タイプには
→ 小豆やはちみつ、米飴などで補気スイーツ
陰虚タイプには
→ 洋梨や白きくらげと合わせて潤い補給