はちみつ【乾燥による咳や便秘、疲れやすい時に】

はちみつは、自然の甘味料として古くから重宝されてきた食材です。中医学では乾燥による咳や便秘、疲れやすい時、季節の変わり目のケアに良いとされています。

現代栄養学でも抗酸化作用や整腸作用が評価され、スイーツの素材としても優れた風味と保湿力を発揮します。

こんな人におすすめ
  • のどの乾燥やイガイガが気になる
  • 便秘気味
  • 疲れやすく元気が出ない
こんな人は注意
  • 湿熱・痰湿体質(むくみやすい、体が重だるい)
  • 糖質制限中の方(摂取量に注意)
  • 1歳未満の乳児(ボツリヌス症予防のため)
目次

はちみつの効能

主な働き

スクロールできます
薬膳的な効能詳細
潤肺(じゅんぱい)のどや肺を潤し、乾燥による咳をやわらげる
潤燥(じゅんそう)体内を潤して乾燥症状を改善する
補中(ほちゅう)胃腸の働きを助け、気力を補う
解毒(げどく)熱や毒素を和らげ、口内炎や肌荒れに良い
止咳(しがい)咳を止める
通便(つうべん)便通を整える

参照:『薬膳食典 食物性味表』日本中医食養学会 編著、『新版 毎日使える薬膳&漢方の食材事典』坂口珠未 著

帰経

肺・脾・胃・大腸に作用し、潤いを補い、胃腸の働きを助ける。

薬効データ(性味・五味)

  • 性質:平性(体を冷やしすぎず温めすぎず)
  • 五味:甘味(補い、緩め、調和する)

食材データ(旬・選び方・おすすめの季節)

  • 旬:通年(養蜂の最盛期は春~初夏)
     
  • おすすめの季節:乾燥が気になる秋~冬に特におすすめ。春先の体調のゆらぎにも◎
      
  • 選び方:非加熱・国産・花の種類が明記されたものが品質が高い
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栄養学的な特徴

  • ブドウ糖と果糖でエネルギー補給が早い
     
  • 酵素やポリフェノールで抗酸化・抗菌作用
     
  • 整腸作用で腸内環境を整える
     
  • 喉の保護や口内炎ケアにも◎

相性の良い食べ合わせ

  • 梨:空咳、喉の痛み
  • 生姜:冷え対策・温性UP
  • 白きくらげ:潤い補給で美肌に
  • レモン:抗酸化・風味アップ
  • 黒胡麻+豆乳:便通の改善

※高温で加熱すると酵素や栄養素が失われやすいため、なるべく60℃以下での使用を推奨します。

製菓材料としてのはちみつ

焼き菓子のしっとり感や自然なコクを出すのに最適。甘味料の一部をはちみつに置き換えることで、甘さに深みと保湿性が加わります。

はちみつの特性

  • 焼き菓子にしっとり感を与える
  • 甘さにまろやかさとコクを出す
  • 保湿性が高く、時間が経ってもパサつきにくい

お菓子に使うときのポイント

焼成の工夫

焼き色が付きやすいため、焼成温度はやや低めに調整。
加熱による風味変化も加味して、全体の味のバランスを整えることが大切です。

粉類や油脂とのバランス

砂糖の一部を置き換える際は、はちみつの水分量に注意して粉類や油脂とのバランスを取ると、しっとりとまとまりのある生地になります。
クッキーなどには控えめに、ケーキ類にはしっとり感を活かして多めに使うと良いでしょう。

非加熱のものは加熱後に

非加熱のはちみつは酵素を含みますが、60℃以上になると死滅してしまいます。そのため、生きたままの酵素を取り入れたい場合には、加熱がすべて終わってから加えることをおすすめします。

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