バナナ【エネルギーを補い、清熱して便通を整える】

忙しい日常でも手軽に栄養を補えるバナナは、薬膳的には、体の余分な熱を冷まし、老廃物の排出をスムーズにします。甘さと食べやすさから、スイーツづくりにも大活躍です。

こんな人におすすめ
  • 朝起きるのが辛い
  • 疲れやすく集中力が続かない
  • 便秘気味
  • 甘いものを罪悪感なく食べたい
こんな人は注意
  • 胃腸が弱い
  • 冷えやすい
  • 糖質制限中(量に注意)
  • 体が重だるくむくみやすい
目次

バナナの効能

主な働き

エネルギー補給、便通改善、心を安定させる作用があり、特にのぼせがち、熱がこもるタイプの便秘にぴったりです。

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薬膳的な効能詳細
補気(ほき)気(エネルギー)を補い、疲れを癒す
潤腸(じゅんちょう)腸に潤いを与え、便通を改善する
解毒(げどく)毒素や余分なものを分解・除去・排出する
清熱(せいねつ)体内の熱を冷やし、炎症を抑える
通便(つうべん)便通を促す

参照:『薬膳食典 食物性味表』日本中医食養学会 編著、『新版 毎日使える薬膳&漢方の食材事典』坂口珠未 著

帰経

脾・胃・肺・大腸を助け、消化を促し、気の巡りをサポートし、便通を良くする。

薬効データ(性味・五味)

  • 性質:寒性(体を冷やす)
  • 五味:甘味(補う、緩和する)

食材データ(旬・選び方・おすすめの季節)

  • 旬:通年
  • 選び方:全体が黄色く、黒い斑点があると熟してきたサイン
  • おすすめの季節:夏〜初秋(特に暑さが残る時期)。体にこもった熱を冷ますのに効果的。

日本のバナナの99%は海外から輸入されていて、農薬や薬品処理がしてあるものがたくさんあります。なるべく農薬を避けたい場合は、以下を参考に選んでください

①PLUコード(バーコードの下の数字)が9から始まる5桁の番号のシールがついたバナナを選ぶ
 
②有機栽培、オーガニックの記載のあるバナナを選ぶ(※有機JASマークが目印) 
 
③レインフォレスト・アライアンス認証のバナナを選ぶ(※カエルのマークが目印)

栄養学的な特徴

  • カリウムが豊富で、むくみ予防に
  • 食物繊維で腸内環境改善
  • ビタミンB群で疲労回復
  • トリプトファンで心を安定させる

食べ合わせ

「相性が良いからたくさん食べても良い!」「相性が悪いから、絶対食べちゃダメ!」というわけではなく、その時の体質に合わせて調整することがポイントです。

相性の良い食べ合わせ

  • ヨーグルト(腸活+甘味の調和)
  • ナッツ類(脂質・食感の補完)
  • はちみつ(自然な甘みの増幅)
  • シナモン(香りと温性でバランスアップ)

注意したい食べ合わせ

  • 冷たい牛乳や氷(胃腸を冷やしすぎる恐れ)
  • 油っこい揚げ菓子(湿を助長)

製菓材料としてのバナナ

甘みととろみを活かし、焼き菓子からムースまで多彩に活用可能。
完熟バナナは自然な甘味料としても活用できます。

バナナの主な特性

  • 自然なとろみで乳製品や卵の代用としても使える
  • 焼くと甘みが増して、香ばしさが出る
  • 甘みと酸味のバランスが良く、他素材と調和させやすい

バナナをお菓子に使うときのポイント

熟度による使い分け

少し若いバナナ(黄色のみ):形が崩れにくく、タルトやフルーツサンドなどに◎

完熟バナナ(皮が黒く斑点):甘味・香りが強く、マフィン・パウンドケーキ・クッキーなどに最適。

完熟バナナは非常に甘いので、砂糖は控えめにしましょう。甘さがバナナに依存することで、自然な味わいに仕上がります。

香りを活かす工夫

加熱すると甘みが増して香ばしさが出ますが、バナナの香りは加熱で飛びやすい性質もあります。加熱せずトッピングに使ったり、生地の中に入れることで香りを残しやすくなります。

水分と油脂のバランス調整

バナナは水分が多いため(約75%)、加えると生地が重くなりやすいです。そのため、バナナを使うときは他の水分(牛乳、卵)を減らすか、粉類の量を増やすとバランスが取れます。

変色対策(酸化防止)

バナナは空気に触れると黒くなりやすいですが、レモン果汁やビタミンCパウダーで防止できます。

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