春本番の4月。
ぽかぽか陽気に包まれ、植物が一気に芽吹くこの季節は、気分も上がりやすい一方で、新生活や環境の変化にストレスを感じやすい時期でもあります。
薬膳では、春は「肝(かん)」と「血(けつ)」に注目する季節。
「肝」は感情や気の流れ、「血」は心と体のバランスを整えるために欠かせない存在です。
目次
4月に起こりやすい不調
- 気分が不安定・モヤモヤする
- 目の疲れ・イライラ・頭痛
- 月経トラブル(PMS、痛み、不順)
- 不眠・動悸・疲れやすい
これは、「肝」と「血」のアンバランスが原因となっていることが多くあります。
なぜ4月に「肝」と「血」のケアが必要なの?
環境の変化によるストレスで「肝」が乱れやすい
入学、異動、人間関係の変化など、4月は心がざわつくイベントが多い時期。
感情をコントロールする「肝」がストレスで乱れると、イライラ・不眠・胃腸の不調などが出やすくなります。
春は「肝血(かんけつ)」を消耗しやすい季節
「肝」は「血(けつ)」を蓄え、巡らせる臓。
春の活動量アップや精神的ストレスで肝血が消耗されると、目の疲れ・めまい・月経トラブル・不安感などが現れやすくなります。
肝の高ぶりが「気滞」や「気逆」につながる
春は「肝気」が高ぶりやすい季節。
うまく発散できないと「気滞(きたい)」や「気逆(きぎゃく)」=気の逆流が起き、頭痛・めまい・イライラ・不眠といった春特有の不調につながります。
「肝」と「血」をやさしく整える4月の養生
肝をゆるめる暮らしの工夫
- 香りを楽しむ(アロマ・香味野菜・柑橘など)
- 気軽な運動やストレッチで気を巡らせる
- 「がんばりすぎない」予定の立て方
血を補う食事のポイント
- 赤・黒・緑の食材で「肝血」を養う
- 鉄分・葉酸・たんぱく質をしっかりと
- 夜はスマホ・PCを控えて睡眠を大切に
4月におすすめの食材と理由
肝の巡りを良くする香りと酸味
- しそ・三つ葉・みょうが:気の巡りと気分転換に
- ゆず・レモン・梅干し:「気逆」や胃の不調にも◎
- 陳皮(ちんぴ):胃もたれやイライラに
血を補い肝をサポートする食材
- ほうれん草・小松菜・にんじん:鉄分と巡りをサポート
- 黒豆・レーズン・なつめ:肝血を養い、心を落ち着かせる
- 卵・赤身肉・レバー:月経期・産後・疲労時に◎
春の「巡り」と「うるおい」を両立する食材
- 山芋・白きくらげ:乾燥や気滞両方のケアに
- 豆乳・アーモンド:気血と陰をやさしく補う
まとめ:春のストレスにゆらがない、自分らしい整え方を
4月は、外は春らしくても、心と体はまだ冬の影響を残していることも多い時期。
だからこそ「肝」と「血」のバランスを整え、のびやかで穏やかな気持ちで過ごせるよう意識してみましょう。
薬膳の知恵で、春のスタートをやさしくサポートして、自分らしいリズムを取り戻してくださいね^^
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