
爽やかな酸味とほのかな苦味が特徴の甘夏は、体の熱を冷ましながら、気の巡りを良くし、咳や痰を抑えるとされています。
また、体内に必要な水分を補いながら、余分な水分は排出し、水分代謝を良い状態に促してくれます。
こんな人におすすめ
- 暑さで食欲が落ちている
- 喉が渇きやすく、咳が出やすい
- 気分が沈みがちで、ストレスを感じやすい
- むくみやすく、体が重だるい
こんな人は控えて
- 冷えやすい
- お腹を壊しやすい
- 乾燥しやすく、空咳や便秘がある
- 一部の薬を服用中の方(相互作用に注意!)
目次
主な働き
スクロールできます
薬膳的な効能 | 詳細 |
---|---|
清熱(せいねつ) | 体内の余分な熱を冷まし、暑さによる不調を緩和 |
潤肺(じゅんはい) | 肺を潤して、咳や喉の渇きを癒す |
理気(りき) | 気の巡りを整え、ストレスやイライラを緩和 |
化痰(けたん) | 余分な痰を取り除き、呼吸を楽にする |
帰経
脾・肺・肝に作用し、気の巡りや消化を助け、肺の潤いを守ります。
薬効データ(性味・五味)
- 性質:涼性(体の熱を冷ます)
- 五味:甘味・酸味・微苦(滋養・収斂・気巡り)
栄養学的な特徴
- ビタミンC:免疫力アップ、美肌サポート
- クエン酸:疲労回復、食欲増進
- ヘスペリジン:毛細血管を強化、抗酸化
食べ合わせ
相性の良い食べ合わせ
- はちみつ:潤いを補い、喉の乾燥や咳に◎
- 緑茶:抗酸化・清熱作用の相乗効果
控えたい食べ合わせ
- 冷たい飲料やアイス:体を冷やしすぎる
- 薬との併用:一部薬剤との相互作用に注意
製菓材料としての甘夏
甘夏は果汁、果肉、皮ともに製菓に活用しやすく、ケーキやゼリー、ピールなどさまざまなスイーツに使用できます。酸味と香りが生きているため、爽やかな味わいのアクセントとして最適です。
主な特性
- 酸味と苦味が甘さを引き締める
- 果汁はジュレやクリームに最適
- 皮はピールやコンフィとして活用できる
お菓子に使うときのポイント
果肉・果汁の扱い
果汁はレモン代わりに使え、ゼリーやムースに清涼感をプラスします。加熱しすぎると香りが飛ぶので注意。
皮の活用
白いワタを残しすぎると苦味が出るため、ピールやコンフィにする場合は下茹でや塩揉みでアク抜きをしっかり。
甘さとのバランス
酸味を生かすために、甘さは控えめにするのがポイント。はちみつやきび砂糖など、まろやかな甘みとの相性が◎