アーモンド【肺と腸を潤し、血を養い、心を安らげる】

アーモンドは、乾燥対策や体力維持、脳の活性化、美肌ケアに役立つ食材。

栄養豊富で日常的に取り入れやすく、季節を問わずおすすめですが、少毒があるため1日10粒程度にしましょう。

こんな人におすすめ
  • 乾燥しやすい(陰虚)
  • 疲れやすい、体力が落ちやすい(気虚)
  • 便秘しやすい人
  • 美肌・エイジングケアに
  • 秋〜冬に体調を崩しやすい人
こんな人は注意
  • 消化力が弱い人は、大量摂取に注意)
  • ニキビや吹き出物が出やすい
  • ナッツアレルギー
目次

主な働き

肺を潤し、喉の乾燥や空咳を和らげる働きに優れています。また、脾胃を助けながら気血を補い、美容やエネルギー補給にも効果的です。

薬膳的な効能詳細
潤肺止咳(じゅんぱいしがい)肺を潤し咳を鎮める
補血健脾(ほけつけんぴ)血を補い、消化を助ける
通便(つうべん)便通を促す
安神(あんしん)精神を安定させ、心を落ち着かせる

帰経

肺・大腸・脾・心に作用し、呼吸器の調整、腸や胃腸全体、精神の安定に関わる。

薬効データ(性味・五味)

  • 性質:平性(穏やかに体を整える)
  • 五味:甘味(ゆるやかに補う)

食材データ(旬・選び方)

  • 旬:8〜11月頃(効率的な収穫体制や加工技術の発達により、通年手に入れることが可能)
     
  • 選び方:傷がなく、色ツヤがよくて鮮やかなものを選ぶ

栄養学的な特徴

  • ビタミンEが非常に豊富(抗酸化作用)
  • 良質な脂質(オレイン酸)を含む
  • たんぱく質、食物繊維、カルシウムも多い
  • 血糖値コントロールやコレステロール対策にも期待できる

食べ合わせ

「相性が良いからたくさん食べても良い!」「相性が悪いから、絶対食べちゃダメ!」

というわけではなく、その時の食べる人の体質に合わせて調整することがポイントです。

相性の良い食べ合わせ

  • はちみつ(潤肺・のどケア)
  • 豆乳(たんぱく質補給・潤いケア)
  • 黒ごま(補血・美肌強化)
  • 甘酒(補気・補血サポート)
  • なつめ(補血・精神安定)

注意したい食べ合わせ

摂りすぎたり、摂り方によっては消化器系に負担がかかるため注意。

  • 脂質の多い食事と組み合わせる
  • 冷たいものと一緒に摂りすぎる

製菓材料としてのアーモンド

アーモンドは、コクのある甘みと豊かな香ばしさを持ち、製菓に欠かせない存在です。丸ごとローストしてトッピングに使うほか、スライス、ダイス、パウダーなどに加工して、焼き菓子や生菓子に幅広く応用されています。香り・コク・食感の三拍子が揃った食材です。

アーモンドの主な特性

  • 豊富な油脂分がコクとしっとり感をもたらす
  • 加熱によって香ばしさがさらに引き立つ
  • ナッツ特有の甘みがあり、自然なやさしい味わいに仕上がる
  • 食感のアクセントにもなり、トッピングや練り込みにも適している
  • グルテンを含まないため、ふんわり感を出すには工夫が必要

アーモンドパウダーについて

アーモンドを細かく粉砕すると、アーモンドパウダー(アーモンドプードル)になります。しっとりとした食感とコクを出してくれるため、製菓においても長年に渡り重宝されています。

マカロンやフィナンシェ、ガレットブルトンヌなど、アーモンドの香りとコクを活かしたスイーツに欠かせません。

アーモンドをお菓子に使うときのポイント

ローストすると香りが引き出される

トッピングや練り込み用のアーモンドは、軽くローストすると香ばしさが引き立ち、風味豊かな仕上がりになります。焦げすぎないよう、160〜170℃程度で香りが立つまで焼くのがコツです。

アーモンドパウダーは早めに使う

アーモンドパウダーは空気に触れると酸化しやすいため、開封後はなるべく早めに使い切るか、密閉して冷蔵保存します。酸化を防ぐことで、鮮度の良いコクを保てます。

水分バランスを考える

アーモンドパウダーを多く使うと油脂分が多くなり、しっとりリッチな仕上がりになりますが、水分量や焼成温度にも注意が必要です。焼きすぎるとパサつきやすくなるため、低温でじっくり火を通すとしっとり感がキープできます。

粉の一部を置き換えてコクをプラス

小麦粉100%のレシピの一部をアーモンドパウダーに置き換えると、グルテン量が減ってふんわり感が増し、香ばしくコクのある味わいに仕上がります(目安は全体の10〜30%程度)。

アーモンドを使ったスイーツ

あわせて読みたい
こはるびよりの金柑マフィン【気の流れをよくしてリラックスを促す】 金柑の優しい香りをぎゅっと閉じ込めました。3月下旬ぐらいの、春を待つ季節から活発になり始める肝をサポートして、変化しやすい体をととのえます。 こんな人におすす...
あわせて読みたい
苺とローズマリーの潤いケーキ【体に潤いとエネルギーをチャージ】 春の終わりと初夏の入り口を感じる4月下旬〜5月。 この時期は寒暖差が激しく、心も体も少し揺らぎやすい季節です。 中医学では、春から初夏にかけては「肝」と「脾」の...
目次