寒さが一段と深まる12月。
イベントや年末の忙しさで、心も体もつかれがたまりやすい時期です。
薬膳では、12月は「腎(じん)」をしっかり養う季節と考えられています。
また、寒さに負けない体づくりと、1年がんばった自分を労わるケアも大切にしたいタイミングです。
目次
12月に起こりやすい不調
- 冷えがつらい(特に手足・腰まわり)
- 朝起きづらい・だるさが抜けない
- 風邪をひきやすい・免疫が落ちている
- 肌やのどの乾燥が気になる
寒さや乾燥、そして年末のあわただしさで、気づかないうちに体力も気力も消耗しています。
特に、生命エネルギーを貯蔵している腎(じん)の、温める力とうるおす力が影響されやすい時期。
そのため、この時期は「守る・温める・補う」が養生のキーワードです。
なぜ12月は「腎陽・陰の消耗」が起きやすいの?
寒さと乾燥のピークで腎が両方とも消耗しやすい
12月は1年で最も寒く、乾燥が深刻化する季節です。
そのため、「腎」が本格的に消耗しやすくなり、腎の陽(あたためる力)も、腎の陰(うるおす力)も不足しやすくなります。
年末の疲れ・乱れた生活がさらに影響する
年末年始で生活リズムが乱れ、暴飲暴食や夜更かしが腎の弱りを加速させることに。
この時期は寒さに備えるために、温める力も潤す力も必要なのに、無理な生活習慣で両方とも不足しがちになります。
つまり、無理と乾きと冷えの「三重苦」で腎を一気に疲れさせる時期なんです。
腎を養い、冷えから守る冬のケア
腎は、体のエネルギーの貯蔵庫。
腎が弱ると冷えや疲労感が強くなったり、免疫が落ちやすくなります。
日々のケアポイント
- お腹・腰・足首を冷やさない(腹巻き・湯たんぽ活用)
- 睡眠時間をしっかり確保。夜更かしに注意
- 無理な予定を詰めこまず、リラックスタイムを
食事の工夫
- 黒い食材(黒豆・黒ごまなど)で腎をサポート
- 温かいスープや鍋料理で体の芯から温める
- ときには滋養のある甘味で、心もほっとひと息
12月におすすめの食材と理由
腎を養う「黒い食材」
- 黒豆・黒ごま・黒きくらげ:腎を補い、冷えや疲れに強い体へ
- ひじき・昆布:鉄分・ミネラルも豊富で女性に◎
体を温める「ぽかぽか食材」
- しょうが・ねぎ・にんにく:体を中から温め、巡りを良くする
- 羊肉・鶏肉・味噌:冷えた体をしっかりサポート
- シナモン・八角:スイーツにも合う温めスパイス
年末の疲れを癒す「滋養食材」
- 山芋・なつめ:気力・体力をやさしく補う
- 卵・豆腐・小豆:たんぱく質とエネルギー補給に
- くるみ・松の実:冷えと乾燥に負けない体をサポート
まとめ:あたためる、満たす、ゆるめる。1年のしめくくり養生
12月は、「体も心も冬ごもりの準備」を始めるタイミング。
冷えや疲れをそのままにせず、食と暮らしでやさしく整えることで、健やかに年末年始を迎えることができます。
がんばってきた自分をねぎらいながら、ぬくもりと滋養に満ちた毎日を過ごしていきましょう^^
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