寒さが少しずつゆるみ、春らしい陽気が感じられる3月。
でもこの時期、意外と不調を感じやすい方が多いのではないでしょうか?
薬膳では、3月は「肝(かん)」が活発になる季節。
この肝のエネルギーは「のびやかさ」と「巡り」を司っているため、うまくケアしないと心や体のバランスが崩れやすくなるんです。
目次
3月に起こりやすい不調
- 気分の波が激しい・怒りっぽい
- 肩こり・頭痛・目の疲れ
- 月経トラブル(痛み・遅れ・PMS)
- 不眠・疲れが取れにくい
こうした不調には、「肝」の働きと「気の巡り」が深く関係しています。
なぜ3月に「気滞」や「肝の不調」が起こるの?
春は「肝」が活発になる季節
春は自然界でも植物が芽吹き、伸びようとする季節。
同じように、人の体でも「肝」のエネルギーが高まり、内側から“のびやかに”なろうとします。
ところが、ストレスや運動不足でこのエネルギーがうまく発散できないと、「気滞(きたい)」が起こりやすくなります。
春の陽気と気圧変化で自律神経が揺れやすい
急に暖かくなったかと思えば、また寒くなる…。
こんなふうに、3月は気温も気圧も不安定で、自律神経が乱れやすい季節です。
この影響で「肝」のバランスも乱れ、イライラ・不眠・情緒不安が出やすくなります。
冬の間にたまった“気滞”が表面化
冬の間は、体が閉じてエネルギーをためこむ時期。
その間に巡りが悪くなっていた人は、春になるとたまったものが一気に表に出てくることがあります。
これが、春の不調や情緒の不安定さにつながるのです。
「肝」と「気の巡り」を整える3月の養生
肝をいたわる暮らしの習慣
- 早起きして朝日を浴びる(肝のリズムを整える)
- 感情をためこまず、小さな「楽しい」を増やす
- 軽めの運動やストレッチで「巡り」をサポート
食事の工夫
- 香りのよい食材で気の巡りを良くする
- 苦味のある春野菜で肝のバランスを整える
- 酸味のあるものを少量取り入れ、春の巡りを助ける
3月におすすめの食材と理由
肝を助ける春の青菜・山菜
- 菜の花・春菊・せり:春の苦味が肝を整える
- 小松菜・クレソン:ビタミンも豊富で疲労回復に
気の巡りを良くする香味野菜
- しそ・みょうが・三つ葉:気分が沈んでいるときに
- ゆず・レモン・陳皮:香りと酸味でリフレッシュ
肝をいたわりつつ温める食材
- しょうが・ねぎ:春先の冷え対策に
- 山芋・なつめ:肝血のサポートにも◎
まとめ:春を気持ちよく迎えるには、まず「巡り」から
3月は、春本番を迎える前の、調整の月。
気が滞っていたり、肝が乱れていると、春のスタートで体調を崩しやすくなります。
香り、酸味、そしてのびやかな心を大切に。
薬膳のやさしい知恵を取り入れて、軽やかな春を迎える準備をしていきましょう^^
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