
春は、草木が芽吹き、のびのびと自然が広がっていく季節。人の体や心もまた、内側から動き出し、外に向かうエネルギーに満ちています。
そんな春は、東洋医学でいうと「肝(かん)」の季節。
気の巡りが変わりやすく、イライラしやすくなったり、肌に吹き出物が出たりと、ちょっとアンバランスになりがちな時期でもあります。
実はこの季節、スイーツとの付き合い方にも“春ならでは”のポイントがあるんです。薬膳の知恵をほんの少し取り入れるだけで、甘い時間がぐっと体に優しいものに♡
春におすすめの甘味料やスイーツ素材、食べ方のコツなどを、薬膳の視点からわかりやすくご紹介していきますね。

春の養生とスイーツ
この時期にスイーツを楽しむなら、「肝を調整してのびのびと気を巡らせること」「脾(=消化吸収)を守ること」の両方を意識しましょう。
甘いものは、心をほっとさせる“陽”のエネルギーを持っていますが、摂りすぎると「脾」に負担がかかり、逆に胃もたれやイライラを招くことも。
- スイーツは1日1〜2個まで
- できれば午後15時前後に
- 温かいお茶と一緒に楽しむ
スイーツは少量で、心と体を緩める薬膳として上手に取り入れましょう。
春におすすめの甘味料
甘味は、春の不安定な「肝」と「脾」をつなぐバランサー。
ただし、白砂糖のような急激に血糖を上げる甘味料は避けて、体に優しい“緩やかな甘み”を選ぶのがポイントです。
薬膳的おすすめ甘味料:
- きび糖:自然なコクで「脾」を補い、緩やかにエネルギーを与える
- 黒糖:補血・補気の作用。冷えや疲れにも◎
- 甘酒(ノンアル):腸内環境を整える“飲む点滴”
- デーツシロップ:陰を補い、イライラや乾燥に◎
- はちみつ:潤いと気を補給。春の咳予防にも(※1歳未満はNG)
春におすすめのスイーツ食材
春のスイーツには、「肝」を整え、「脾」を支える食材を選びましょう。
見た目にも華やかで、季節感が出せる食材を以下にまとめました。
春におすすめのスイーツ素材:
- さつまいも・かぼちゃ・じゃがいも:甘味・補脾・消化にやさしい
- いちご:潤いを与え、気の巡りを促進
- 金柑:気を巡らせ、喉・肺を潤す。爽やかな香りで春の気滞に◎
- 黒ごま・白ごま:腎と肝を補い、ストレスケアにも
- クコの実:目と肝をサポートし、見た目も映える
- なつめ:補血・精神安定。女性やお子様にも◎
- 米粉・オートミール:小麦不使用でも満足感。脾胃にやさしいグルテンフリーベース


スイーツと楽しむ、春の薬膳ペアリングドリンク
スイーツと飲み物の組み合わせは、味の相性だけでなく「薬膳的なバランス調整」にも役立ちます。
春の気の巡りや潤いケアを意識して、以下のようなドリンクがおすすめです。
- はと麦茶:むくみ対策と肌トラブル予防に。さつまいも系のスイーツと◎
- ほうじ茶:香ばしく胃腸を温める。米粉ケーキとの相性抜群!
- 菊花茶(きっかちゃ):目の疲れやイライラに。クコの実入りスイーツと合わせると◎
- ジャスミン茶:香りで「肝」をほぐす。いちごや柑橘系スイーツと爽やかに
- 生姜紅茶:冷えが残る春先に。黒糖やなつめ系の焼き菓子とおすすめ
飲み物の温度も大切なポイント。
なるべく冷たいものは避けて、常温〜温かい飲み物で“脾”を守りながら楽しむことを心がけましょう。
春は、心と体が動き出す季節。
無理をせず、季節の流れに寄り添いながら、自分のリズムを整えていくことが大切です。
薬膳の知恵をほんの少し取り入れたスイーツは、ただの“甘いもの”ではなく、日々の気持ちや体調をやさしく支えてくれる小さな味方になります。
気を巡らせて、脾をいたわって、こころ穏やかに。
あなたの春が、ふんわり甘く、やさしいものでありますように^^
