あきらめて人生が好転した経験をインタビューしています。
「あきらめるってどういうこと?」と思われたかたは、こちらのページをお読みください。
今回お話を伺ったのは、プロフィールカメラマンのよしだひろふみさんです。
プロフィール写真やWebサイト用素材をはじめとした撮影全般を得意とされ、最近ではプロモーション動画の撮影・編集、そしてカメラマンの育成にまで、どんどん活躍の場を広げています。
私自身、リハビリテーション施設の採用サイトに、よしださんが撮影した写真を使わせていただきました。現場の雰囲気が伝わる躍動感あるサイトが完成し、人材の応募も増えているそうです。
よしださんがカメラに出会ったのは高校生時代。18歳で、自衛隊の事務職として就職してからも趣味で写真を続けていたそうです。
しかし、20歳でうつ病を発症。半年間におよぶ入院や通院を繰り返し、23歳の時にカメラを手放します。
33歳の時に、意を決して北海道から上京。
その後も何度も苦しい状況に追い込まれますが、「自分で選んだから精神的苦痛はなかった」と、よしださんは力強く語ります。
紆余曲折を経て、43歳で再びカメラを手にしたよしださん。
クオリティの高い撮影が評判を呼び、着実にお仕事の幅を広げ今に至りますが、実は41歳の時に「発達障害」と診断を受けました。
「突発的な変更に弱い」「会話でのやりとりだと誤解をされやすい」。
そんな自身の特性をカバーするために、よしださんは撮影前のヒアリングの徹底や、ほぼ毎日ブログを更新してファンを増やしてきたそうです。
「カメラは1回離れて、それでも戻ってきているので。本当に好きでやっているんだなと感じます。」
そんなふうにお話しされるよしださん。果たして、どのような人生を歩んできたのでしょうか?
カメラマン よしだひろふみプロフィール
プロフィールカメラマン よしだひろふみ
北海道生まれ。
幼少より言葉でのコミュニケーションが苦手で、友達の輪の片隅から仲間の人間模様を観察しながら過ごす。
中学時代、人や風景の一瞬の表情を切り取る写真の魅力に取り憑かれ写真部に入部。
その自己表現の可能性に目覚める。
高校卒業後、公務員として働きながら趣味で写真撮影を続け、「陸上自衛隊北部方面隊美術展」での最高位2回受賞ほか、コンテストの入賞実績多数。しかし、23歳の時に写真撮影から離れる。
2015年、表現への想いを断ち切れず「プロフィールカメラマン」として起業。士業やコーチなど個人起業家のプロフィール写真をはじめ、企業のWebサイト用写真やイベント撮影など、紹介での依頼が後を絶たない。
「写真を変えたらセミナー申し込み者が8倍になった」「名刺に使ったらお客様の評判が良くなった」など、売り上げアップに直結するカメラマンとしても評判が高い。
鬱々とした環境から見えはじめたあきらめの兆し
佐藤 よしださん、どうぞよろしくお願いいたします!東京に出てくるまでは、ずっと自衛隊で事務をされていたんですか?
よしだ そうです。その間に転勤を5回ほどしました。
佐藤 北海道内をですか?
よしだ はい。地元の帯広に近いところもあれば、ちょっと離れたところなんかも。
佐藤 そうだったんですね。精神科に行ったりを繰り返されたと聞きましたが、なにが一番しんどかったのでしょうか?
よしだ なんていうか、人間関係ですね。それと同時に…、やりがいが見えなかった。
いじめられてたっていうのもありましたし、それで20歳の時に精神的に参って入院しちゃったんです。
佐藤 半年ですよね。けっこう長いですよね。
よしだ 当時は3ヶ月って言われてたんですけど、親がプラスで3ヶ月延ばしちゃったんですよ。
佐藤 え?北海道にいらっしゃる親御さんにですか?
よしだ そうです。その時は私も、一気に親と距離をとりましたね。
佐藤 親御さんは、なぜ3ヶ月も入院を延ばされたのでしょうか?
よしだ たぶん、その時の私の状態が良くなかったからと思うのですが。私としては、3ヶ月って言ったら3ヶ月で退院させろっていう考え方なんですよね。
そこから親とは急激に冷戦になりました。話もせず、だからといって喧嘩もせず。
大好きなカメラを手放すことに
よしだ その後は、23歳に「任意整理」にあって。
佐藤 任意整理?
よしだ 借金です。そのタイミングで写真もやめました。
18歳から、写真は趣味ではじめたんですね。ただ、自衛隊だと公務員なので仕事としてはできなかった。
ちょっとした気持ちではじめた写真も、ハマると機材も買うし、あれだこれだってなって。当時はデジタルじゃなくてフィルムなので、もう出費しかないと…。
佐藤 フィルムだと、相当な費用がかかりますよね。
よしだ それでコントロールを失ったと。任意整理で弁護士にお世話になり、写真もやめたと。弁護士にはっきり「写真はもうやめてください」と言われましたね。
そこで機材を全部売却しなきゃならなかったんです。
退職するか死ぬか
その後も自衛隊に15年いたけど、やりがいがなくなったというかストレスもありましたね。
一番のピークは半年間の入院でしたが、その後も通院を繰り返してストレスがすごかったのと、いじめによるダメージもすごかったので。「やめる」っていうのを、決めた形ですね。
これ以上いても、「出世」っていう路線からも外れちゃったとわかったので。
それにこのまま続けていても、精神科通いが繰り返されるか、そうじゃなかったとしても「俺、死ぬな」とわかったので。死ぬっていうのは、おそらく自殺するんじゃないかという意味で。
それでやめて、上京を決めました。
その上京も、下準備を9割まで詰めてから親に言いました。中途半端な状態で言って「家に帰ってこい」言われるのが嫌だったから。
その時は、まだ冷戦は続いてたので。家に帰ることはほとんどなかったですね。
なんとしてでも上京決行!
佐藤 上京を決める前と決めた後で、心境の変化はありましたか?
よしだ やめた瞬間、私の中で「もうこれで縛られることがないんだな」っていうことです。
実は、やめると伝えて正式な書類を書かせてもらうまでに、1か月半かかりました。
佐藤 退職届をもらうのに1か月半かかったんですか?!
よしだ やめさせてくれないですよ。「俺はやめる」って言ってるのに、あれやこれや言ってくるんです。
「あんたの幸せのために」とか言うんですね。「『あんたの幸せ』って言ってるけど、あんたが決める権利あんの!?」っていうのが本音ですよ。
「やめても幸せにならんよ」とかいろいろ言われましたけど、「それっておかしいっしょ」っていうのが私の中であったので。周りからの言葉は自己保身だよなと。
ただこっちはストレスだし、これ以上いても意味ないっていうのはわかってたんで。けっこう時間はかかりましたが。
佐藤 退職の書類をもらうまでに1か月半ですもんね…。
よしだ やっと書類を出して、あとは人事発令で退職を承認してもらいました。
やめる最後の日なんて、当時はまだ髪の毛はちゃんとあったんで、今は少ないですけど。パーマしてから出勤しました。笑
なんかもう、縛られた鎖が一気に楽になったっていう感じでしたね。
佐藤 退職を承認されるまでは、相当な妨害が入ったということでしょうか。
よしだ 妨害というか、「残って公務員やった方が絶対いいよ」ってやつですね。
佐藤 どうやって、退職届をもらえたんですか?
よしだ 「転職活動させてください」って言って東京に行って、戻ってきてから「面接も行きました」とか言いました。
その面接を受けた2社とも不採用でしたけど。不採用とかは別にどうでも良くて。そのお陰で、「やめる意思が変わらないな」っていうことはわかったんでしょうね。
それでまた「やめる」と伝えて、「じゃあ退職届を書いてください」っていう感じになったっていうことですね。
佐藤 よしださんが行動されたということですね。
よしだ 退職してから1日だけ実家に寄って、そのまま「俺、東京に行くよ」って伝えて行ったって流れです。
今となってはこの進め方が良かったかっていうと、当時は最善でしたけれど、ちょっとよろしくないパターンだったなぁと思います。
過去の生きづらさがすべてつながった瞬間!
よしだ 精神科に通っていた時は、「発達障害」とはまだ診断されていなかったんですね。
自閉症だったとかっていうのは、親から言われてたんですけど。6歳頃だったかと。でも、それは医者からの診断ではなくて、当時でいう保健婦から言われたのかな。児童相談所とかにお世話になっていた時期があるんで。
自衛隊をやめてからも小さな人間関係のトラブルがあったので、41歳の時に専門医に行ったら発達障害の診断が下りました。
それがわかった時に、過去のうつ病とかの話も全部がつながってきたっていう流れですね。発達障害ってうつ病になりやすいと言われているので。
要するに人に合わせるのが苦手。単純にそれがあったっていう。
初診で先生にいろいろお話して、日を改めて親と電話をして、それで正式な診断になりました。
佐藤 発達障害ってなんのやつですか?名称とかいろいろありますよね。
よしだ 広汎性発達障害が正式名称ですね。
佐藤 初めて聞きました。 近くにADHDの方とかはいるんですよね。また違うんですね。
よしだ 一応、診断書のコピーがあるんですけど。私の場合は特に、対人コミュニケーションなんですね。
私の場合、けっこうズケズケ言うからかもしんないですね。世渡り上手的な言い方はできないんで、社交辞令とか。あと、一番大きいのは、突発事案には弱いですね。
佐藤 突発事案?
よしだ 突発的に「これやってくれ」とか言われると弱いんです。すぐに身動きが取れなくて、頭の中がフリーズしやすいというか、とんでもなくそれはありますね。
私が「事前に全部確認する」っていうのは、それをカバーするためにきてるんですね。
佐藤 そうなんですね!
よしだ 事前に情報を取っておけば、不測の事態があってもどうにかカバーできるので。それを持たないまま行っちゃって、不測の事態が起こるとえらいことになっちゃうので。
苦しくても「精神的苦痛はなかった」その理由
佐藤 上京されてからは、お仕事は急にカメラマンさんだったんですか?
よしだ 最初は保険営業をやりました。自衛隊をやめてからすぐに東京で転職活動をして、それでたまたま保険営業の人とご縁があった形です。
成績が良ければ給料がいっぱい出るけど、成績が悪かったら都道府県の最低時給生活になる。売り上げ成績がなくて…。苦笑
佐藤 フルコミ(完全歩合給)のところだったんですね。どこの会社だったんですか?
よしだ 当時でいうAIGスター生命。
佐藤 AIGスター生命?
よしだ 今は、確かプルデンシャルかな。なんだかんだ首をつないだ感じですけど、けっこう苦しかった時期でもある。
ただ、苦しかったっていっても、自衛隊をやめて「上京する」っていうのを自分で選んだから、精神的苦痛はなかったかな。自分を知ったっていう意味では。
辛い時期ではあったけど。給料も少なかったしえらい目にもあったけど、いろいろ学びなったと。
その前にいた公務員とは真逆の世界で、そういう環境に入って、自分をいろんな意味で知ったなぁと。笑
いずれにしても保険営業は1年4ヶ月でやめて、そのあとちょびっとだけ不動産賃貸で働いて、その後タクシーをやったんですね。
佐藤 タクシーの運転手だったんですか。
よしだ タクシーはなぜかっていうと、門戸が緩いってわかったから。要するに、採用されやすいっていうことだね、悪いことしなければ。タクシーの免許も取らせてもらえるので。
その時には、生活も苦しかったっていうのもあったので、「このまま就職先を見つけれんかったら、俺、これ完璧にホームレスになる」ってわかってたんで。
それで、とにかくまずはタクシーならなんとかなるべって思って行ったって感じすね。それで都内で仕事をするという流れです。
もう一度、撮影をやろう
佐藤 カメラは43歳の時に再開されたんですよね。
よしだ これもやっぱりちょっといろいろあって。実は、たまたま仕事中に人身事故の被害者になっちゃったんですね。
佐藤 え!ぶつけられたってことですか?!
よしだ そうです。もちろん10対0で。その時にいろいろ考えて…。
保険の示談金があるじゃないですか。それでカメラを買ったっていうのがオチになるんですけど。
ただやっぱり写真っていうのは昔から好きだったし、「もう一度戻ろう」と思ってはじめました。
でも、趣味だったらまた同じことを繰り返すなって思って。趣味単独じゃなくて、今度はちゃんとビジネス化を考えました。始めは趣味で撮ってて、それが今度は事業化してきたというそんな感じですね。
もうすでに5年になりますけど。なんだかんだいって5年なんだなあと思いながらやって。
弱点克服をあきらめて写真撮影に活かす
佐藤 よしださん、すごいたくさんいろんなとこで撮られていますよね。
プロのカメラマンっていっぱいいらっしゃるんですけど、なにができるのかってけっこう分かりにくくて。
特に「ホームページ用写真の撮影」ってなった時に、ホームページに慣れてる方ってやっぱり違うじゃないですか。ただ撮ってるだけの方とは全然違う。
「集客」に結びつくっていうところまで考えて撮ってくださるとか、「撮られる本人はどう感じるか」とか考えてくださる方って、なかなかいないので。
よしだ そうですね。私もプロフィール写真を撮る時に必ず言っているのが、「正面・横だけの写真も必要だけど、個人事業ってそもそも無名ですよね」と。
そこからはじまるので、まずは「ブランディング的な様子が伝わるような写真を撮った方がいいんじゃないですか」っていうことを提案するんですよね。
せっかく撮るんだったらもうちょっと、プラスアルファがほしいっていうのはあるんで。
ただ撮るんじゃなくて、やっぱりWebサイトにも使えるやつとか。
佐藤 今、お話ししてくださったような、「この場面に使うからこうした方がいい」とか、そういうことを気にするようになったきっかけってあるんですか?
よしだ 昔、趣味で写真を撮っていた時っていうのは、モデル撮影会だったんですね。
それはそれで楽しく撮ってたんですけど、たまに「合わないな〜」って思うことがあったんですね。「場所とモデルの服装が合わないな〜」とかって。
それで「この場所で撮影をしているのはなんのためだろう」とか、そんなことを考えるようになりました。
あとは、起業してからしばらくベタなプロフィールを撮っていたんですけど、ただプロフィールを撮るだけでお金をいただくのも申し訳ないなって思って。
「もうちょっとバリエーション多く撮りたいな」って。それでブランディング的なことも考えるようになってきたんですね。
カメラマンとしての徹底的なこだわり
佐藤 リハビリテーション施設さんのWebサイトを作る時によしださんのお写真をいただきましたが、すごい扱いやすかったです。
よしだ Webサイトだと根本的には、「素材を使わないで自分の写真を使った方がいいよ〜」って言うんですね。
素材で買ったありふれた写真ってあるじゃないですか。最終的にあれって素材だってバレるんですよね。
そもそも素材だってバレるケースもあれば、「リアルでお店に行った時に写真と違う」ってやつですよね。
だから「リアルと写真だけはなるべく一緒にしようよ」という感じですね。
確かに女性だときれいに盛りたい気持ちも分かるんですよ。ただそれって、本人はそれでいいんだけど、「会った時にギャップを感じた相手はどう思う?」と。
サロンとかだと実際にやってるシーンを撮ったりするんで、その時に「超絶美人だけど従業員でもなんでもない人が施術やってたらどうなんだ?」ってなっちゃうんで。「あの美人さんすいませんお願いします」って電話をかけて、いざ行ったらいなかったとか。それが何回もあったら絶対バレるんで。
佐藤 そうですね。それは詐欺ですね。笑
よしだ そういう詐欺は私もしたくないんで。プロフィールもそうなんですけど、サイト用写真もそういう思いがあって撮影しています。やっぱり伝わるものが必要だなと。
写真だって究極は人
よしだ 実はブログはそういう意図があって、ちょっと辛口に書いてます。笑
佐藤 そうだったんですね。笑
よしだ 最近は乱暴発言は減ったけど、相変わらずバシバシと書いてるので。いまだに周辺からはツッコミがくるけど。
佐藤 まぁ、オブラートに包んでもあんまり意味ないなって感じもしますね。ブログだと余計に。
よしだ だから私のはてなブログは、基本的にはバシバシ突っ込む感じで。本サイトはそんなにガッツリはしないので、普通に文章を書いているというか。
佐藤 そうですね。よしださんは、はてなブログの印象が強いです。
よしだ あれは別名「黒よしだ」って言ってますんで。笑
佐藤 笑笑
よしだ 写真だって究極は人、相手と「合うか合わないか」だから。合わないまま本番に挑んでも、その時点で品質に限界が出ちゃうんですよね。
お互いリアルで会った時にそういう関係性も重要なので。相手が嫌な状態で撮っても、相手は嫌な顔か、あるいは作り笑顔をするのが精一杯なんで。
だから「合う人と撮影します」っていう形でやっています。
申し込んでいただいたら、「事前にZoomなどで打ち合わせしましょう」って。それで全部確認しながら「いいですか」っていう話になったら、撮影代金をいただいて「やりましょう」っていう感じ。それが簡単な流れなんですね。
なんでもかんでもいいよじゃないので、それはあります。特に知らない人。知ってる人はハードル低いですけどね。一応、Zoomはやりますが、すでにお互いを知っているので。
佐藤 相性ってすごい大切ですよね。制作物に出ますよね。
よしだ そうなんです。
今日の100点は明日の0点
佐藤 よしださんって、リピートのお客さん多いですよね? それって、なんでだと思いますか?
よしだ やっぱり、妥協はしないですね。
佐藤 あ〜。それ、すごい感じます!
よしだ ちょっと表現が大げさですけど。私の中では「その日に撮った写真が100点でも、翌日になったら0点」って言ってるんです。なぜかというと、翌日になったら基準はそこ(前日の100点)に変わるから。
翌日になったら基準をそこに変えて、「また0から向上していこう」っていう気持ちがあるので。
佐藤 常に…。だからなんですね 。
よしだ それは常に思ってますね。
だから写真の納品作業でも、始めは簡単に済んだのが、だんだん簡単にですが手を加えることが増えてしまう。そういうこともありますね。
個人起業家をターゲットとしているので、その層に対して純粋に「貢献していこう」と思っています。まずはちゃんとした写真を撮っておくことで、集客できる可能性は増えるし、信用も作れるので。
変な写真を使ったら一瞬 売り上げは上がるかもしれないけど、ガン!って落ちるのが想像つくので。そういうのはやめようよと言ってるんで。そういうことやってますね。
自分のペースを保ちながら好きなことやった方がいいよ
佐藤 前のよしださんみたいに、一歩踏み出したいけどなかなかできない人に対して、アドバイスをいただけますか?
よしだ そうですね。私がお伝えするのは、「環境を変えたらどうですか?」って言うんですね。
ただ、自分の意識を変える気がなかったら、次に行っても同じ運命を辿るので。「自分を見つめ直す時間を作りながらも、環境を変えるのはどうですか」って。
それでも、地道にでも、やっていけるのがいいのかなと思います。
急にいきなり「ビジネスだ」ってやってできちゃう人もいますけど、失敗したときのリスクもあるので。「会社員をやりながら進めていくのも選択肢としてありますよ」って言いますね。
それぞれのペースっていうのがあるので、自分のペースを保った上でやっていければいいかなと。
あとはやっぱり、「好きなことをやった方がいいよ」って言います。好きなことをやってると、いろいろあっても自分の精神的ストレスって少なくなるんですよね。
嫌なことを嫌々やっていると、ストレスって本当にでかいので。
でも、好きなことをやっていれば、なにかあっても自分への精神的ストレスってあっても知れてるんで。「今後、こうすればいいんだ」っていう対策も考えつきますし。
佐藤 そうですよね。好きなことをやっている時とそうじゃない時、相当違いますよね。
よしだ 私自身も趣味でやっていたのがスタートで、1回離れて戻ってきているので。本当に好きでやっているんだなと。それはストレートに感じます。
写真撮影を通して、みんなが心身ともに幸せになるお手伝いを
佐藤 今後の展望を教えていただけますか?
よしだ 起業家とか個人事業主の後方支援っていうのをやってきたいと。もっともっと売上と集客力アップをして、みんなの幸せに貢献したいっていうのが強いです。
そしてさらに、心身ともに幸せになってほしいです。ただの売上至上主義じゃなくって、そんな思いがありますね。
今の私ができることは、写真撮影や動画制作、あとはオンライン配信ですね。それを最大限やって、貢献していこうと思っています。
佐藤 「起業家の後方支援」をしたいという思いは、よしださんご自身の経験の中から出てきたのでしょうか?
よしだ なんていうか…、私は営業をガンガンかけるタイプではないなと。
どちらかといえば後ろから、バックヤード的な動きのほうが向いているかなと。だから、そういうところを前に出していこうと。
あとは、SNSとかネットでの発信ですね。私の場合、言葉で説明するよりかは、文字で書いたほうが手馴れてるっていうのがあるので。
言葉だととめちゃくちゃ誤解されることが多いので。昨日今日のことじゃなくて、ずっとそれはあるので、そうやってやっていきたいです。
佐藤 そうなんですね。
お話すごい楽しかったです!ありがとうございました!
あきらめて築きあげる、弱点を「選ばれる理由」に変える生き方。発達障害のカメラマンが伝え続けていること
周囲の声をよそに、自分自身で生きるべき道を切りひらいたよしださん。その行動の根底には、自分自身を最大限に活かして社会に貢献したいという思いがあったのではないでしょうか。
よしださんとは何回かご一緒させていただくことがありましたが、今回改めてお話を伺って、裏表なくお話されるとてもチャーミングな方だなと感じました。
そしてなによりも、カメラへの情熱がすごいですよね。23歳の時にカメラが原因で任意整理にあったって、どれだけカメラ好きなんだろうと思いました。
「今日の100点は明日の0点」という撮影に対する考え方もすばらしいですし、事前準備を徹底したりほぼ毎日ブログを更新していらっしゃったり。ご本人は自分の弱点をカバーするためと言っていましたが、並大抵の意識ではなかなか続けられないなと思います。
ここまでこだわられて撮影されているのだから、お客さまが増えている理由にも納得です。
よしださんのお話の端々から伺えるのは、「自分の弱点は弱点と認めて、じゃあそれをどう活かしていくか」ということ。
発達障害とまではいかなくても、人には得意・不得意がありますよね。ちなみに、私も周りに合わせるのはあまり得意ではありません。
自分のことだと、ついつい弱点に目が行きがちになりますが…。
ふと、いつもとは違うところに目を向けてみると、あなたの弱点に勇気づけられる人がたくさんいるかもしれません。
あなたの弱さは、どんなところですか?
それって、本当に弱さでしょうか…?