こんにちは。
低アレルゲン&低糖質のお菓子教室トイガルテンの佐藤絵里です。
生徒さまからいただくお話の1つに「子供が卵アレルギーなので、食卓になるべく卵は並べないようにしている」というものがあります。
お話されたご本人(アレルギーっ子のお母さん)自身が納得して、そのようにされているのであればそれでいいと思います。
ですが、私にそのお話をしてくださった方は、なんとなくもやもやがあるようでした。
「せめて家庭では、みんなで同じものを食べた方がいいのでは?」
食物アレルギー体質のお子さんが3~4歳ぐらいになるときに、そう思う方もいるかもしれません。
私の見解をお伝えすると、「無理して合わせる必要はなく、お互い食べられるものを食べた方がいい」そして「違和感がない程度で合わせる努力は必要」と考えています。
これには大きく2つ理由があります。
ここでは1つ目の理由をお話しさせていただきます。
自分に必要な食材を本能レベルで察知する力
そもそも人間は動物の一種です。
本来であれば、自分に必要な食材を本能レベルで察知する力を持っています。
この力が弱いと、いろいろな情報に流され、長年にわたり自分に合わない食生活を送ることだって往々にしてあり得るのです。
自分に合わない食生活を送り続けるとどうなるか?
分かりやすい例を挙げると「癌」などの生活習慣病にかかります。
人間関係でも働き方でも、食生活でもそうですが、「なんでもOK」な人ほど後々痛い目に合うことがあります(笑)
それに対し、食物アレルギーの子供たちは、自分に合わない食材を察知する力に長けています。
アレルギー反応は、自分の身体から悪いものを出すため、自分の身を守るための反応です。
「なんでもパランスよく食べる」というのは聞こえは良いですが、自分に必要な栄養素が取れていれば食材はなんだっていいのです。
モノも情報もたくさんあふれている現代。
「自分に合う食材」に限らず「自分に合うモノ・コト」を選べる能力は、「現代を生き抜く」ためにとても重要です。
卵で栄養が取れなくても、他の食材で栄養が補える
卵が食べられない子供がいるとしましょう。
食物繊維、ビタミンC以外の栄養素を含んでいる卵は「栄養価の優等生」とも呼ばれますが、卵が食べられなければ他の食材で必要な栄養素を補う必要があります。
では、卵の栄養がとれない子供に必要な食材は一体なんなのか?
それは、あなたのお子さん自身が知っています。
お母さんができることは、お子さんの食べられない卵を除いて、いろいろな食材を提供することです。
新たな食材や料理に出会い続けていく中で、「今の自分に合う食材」をお子さん自身が自然と選べるようになっていきます。
身体の状態は1人1人違う
では、あなたがお子さんと同じように卵抜きの食生活を続けたらどうなるでしょう?
当然のことながら、「何かが不足」します。
長年、問題なく卵を食べてきたあなたがお子さんに合わせて卵抜きの生活をしても、自分に不足している食材はなかなかわかりません。
むしろ、卵抜き生活を続けて1~2ヶ月が経つころには、身体がだるいなど、何らかの不調が出てくる可能性もあります。
卵に変わる食材に気がつけるようになるためには、栄養不足の状態で1年間ぐらい不調を経験して、いろいろ試した末にやっと…という感じだと思います。
ここで私がお伝えしたいことは、卵抜き生活が難しいということではありません。
たとえ家族であったとしても、「あなたとあなたのお子さんは違う」ということです。
あなたにはあなたに合った食生活がありますし、お子さんにはお子さんに合った食生活があります。
あなたにはあなたに合った生き方がありますし、お子さんにはお子さんに合った生き方があります。
お子さんが卵が食べられないからといって、不自然なまでに家族まで卵なしの生活を送る必要はありません。
食物アレルギー体質は1つのチャンス
以上、「食物アレルギーの子供に食事を合わせた方がいいか?」という疑問に対して、下記の観点から私の見解をお伝えいたしました。
♦1人1人の個体差が異なるため、必要以上に合わせることはしないほうがいい。
昔の日本は「みんなに合わせる」「組織に合わせる」「合わない人は劣っている」といった価値観が強い傾向がありました。
でも、今は違います。
1人1人幸せの形は違います。
食生活でも、進路でも「親(お友達)と自分は違うんだ」と、早い段階で気がつけるきっかけがあるのはラッキーなことです。
アレルギー体質であることは、あなたのお子さんの人生においてとてもプラスになると捉えて、お子さんとも接してみてください。
そして、お子さんに食物アレルギーがあろうとそうでなかろうと、働き方でも遊びでも観光でもなんでもいいので、お子さんにいろいろな経験をさせてあげてください。
みんな、自分に合ったものを選び取る力が備わっています。
次回は、心理学的観点での見解をお伝えいたしますね。