こんばんは。
独立してもうすぐ3年が経ちます、低アレルゲン&低糖質のお菓子教室トイガルテンの佐藤絵里です。
最近、
「友人のお子さんがアレルギーで、卵と小麦粉を使わないケーキを頼まれたのですが…」
とか、
「『乳製品不使用のケーキ作れませんか?』というお問い合わせをいただくのですが…」
とか、
「うちは普通のケーキを作っているから、アレルギー物質が混入しないか心配で…
佐藤さんはアレルギーケーキのご注文を受ける時どうしていますか?」
というご質問を本当によくいただきます。
食物アレルギーのお子さんを持つお母さん、あるいはご本人とお話するとき気をつけていることをお伝えいたします。
この記事では私が実際に行っていることをお伝えしています。
この記事を読んでも、ご友人などに対してアレルギー対応スイーツを作ることに抵抗があるようであれば、その時は作ることをお控えください。
ご依頼主が、アナフィラキシーなど重度のアレルギー症状を発症される可能性がある場合も、作ることをお控えください。
重要事項を確認する
とにかく事実を確認する。
聞く。
ことに徹します。
まずは聞くことがとっても大事!!
一口に「卵アレルギー」「小麦アレルギー」とはいえ、重症度や症状、卵白は食べられるけど卵黄はダメなど、お子さんによってまったく異なります。
そのため、よほどお互いのことを知り尽くしているリピーターでない限りは、都度確認してください。
特に、下記項目は必ず確認してください。。
②その他、気になる食材はないか
③アレルギー症状の重症度(アナフィラキシーの危険があるかないか)
④コンタミネーションについて
さらに下記項目を伝え、問題がないことをご依頼主に確認いただきましょう。
⑥ケーキの原材料について
それぞれの項目について、順番にご説明します。
一番大事:自分の状況を知ってもらう
相手について確認する前に、ご依頼くださった感謝の言葉とともに自分の状況を伝えましょう。
「アレルギー対応のケーキを初めてご依頼いただいた」とか、
「自分の周りに食物アレルギーの人がいないので対応の仕方がわからない」といったことを一言添えて、
「わからないことが多いからいろいろ質問させて。」と伝えましょう。
この時、変に同情したりまごまごしたりする必要はありません。
そもそも同情しようにも、ケーキが食べられないご本人にしかその気持ちは分からないでしょうし。。
「食物アレルギー」と聞くと知らないがゆえにやたらと怖がる方がいますが、症状は人によって様々です。
自分に知識がないことをお伝えした上で、相手の状況を教えてもらいましょう。
知ることで恐怖は軽減されます。
①アレルギー物質(なにを食べてはいけないか)
「何を抜いて欲しいのか」
「何が食べられないのか」
ご依頼主に確認してください。
厚生労働省からアレルギー表示の対象となる27品目が出ています。
表示の義務があるもの
特定原材料7品目えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生
表示が推奨されているもの
特定原材料に準ずるもの20品目
(注:義務ではないため、含まれていても表示されないことがあります。)あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、 牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン
食物アレルギー症状を引き起こすことが明らかな食品を示したものですが、ここに挙げた以外の食品でアレルギー症状を発症した子がいるという事実があります。
そのため、27品目にとらわれず食べられないものを確認するようにしてください。
ナッツ類に関しては、27品目にはないピーナッツなどでアレルギー症状が出てしまう子もいます。
②その他、気になる食材はないか
食べられない食材以外に、食べるにあたって気になる食材がないかどうか確認しましょう。
特に小さなお子さんの場合、初めて口にするものに関しては未知数だと思っていただいて構いません。
ちなみに当店の通販では、商品ごとに下記のような注意事項を記載しています。
初めて口にされるものに対しては、一口から少しつづ様子を見て差し上げてください。
③アレルギー症状の重症度(アナフィラキシーの危険があるかないか)
アレルギー症状の重症度について確認しましょう。
特に、アナフィラキシーショックの危険があるかないかはきちんと確認してください。
メディカルノートでは、アナフィラキシーショックについて下記のように表現されています。
アナフィラキシーショックとは、何かしらのアレルゲンなどに対して全身性のアレルギー反応が引き起こされてしまい、血圧の低下や意識状態の悪化が出現した状態を指します。
アナフィラキシーショックが生じた際には、迅速な治療が必要です。また、一度アナフィラキシーショックを起こしたことがある方は、再度同じ原因物質に暴露されることで同じように非常に重い症状を起こすことがあります。
出典:メディカルノート
アナフィラキシーを起こしてしまうお子さまの場合、空気中に舞っているであろう小麦粉レベルの、少量のアレルゲンの混入に対しても慎重にならなくてはなりません。
そのため、この記事をお読みのあなたが普通の(卵・乳製品・小麦を使う)ケーキ屋さんだった場合、恐らくご依頼主はアナフィラキシーショックを起こしたことがない方の可能性が高いです。
とはいえ、ご依頼主が何を思ってあなたに依頼しているかは、ご依頼主ご本人しか知りませんよね(*_*)
「アナフィラキシーの可能性は、大丈夫ですか?」と、一言お聞きしましょう。
④コンタミネーションについて
カタカナが続きます<m(__)m>
コンタミネーション、略して「コンタミ」と言いますが、これについての確認もしてください。
コンタミとは、食品の製造過程において、原材料として使用していなかったとしても、アレルギー物質が微量に混入してしまうことです。
配送する過程で原材料に入ってしまったり、同じ製造部屋の別の場所でアレルギー物質が使用されていたり、といったことが理由で知らず知らずのうちに混入する可能性があるんですね。。
当店のケーキをお作りいただいているコシジ洋菓子店さんは、普段は卵・乳製品・小麦を使用するケーキ屋さんです。
そのため、当店の通販サイトの全ケーキのページに下記を載せています。
※製造場所のコンタミ(アレルゲンの微量混入)への配慮について※
トイガルテンでは、日替わりでアレルゲンを含む食材を使用することがあります。
原材料につきましても、一部コンタミに特定原材料27品目が含まれているものもございます。
コンタミレベルでアレルギー症状が出る方におかれましては、トイガルテンのお菓子を食べることはお控えください。
上記に似たような内容は、アレルギー対応ケーキ専門店でも記載してあります。
繰り返しになりますが、原材料を配達する過程でアレルギー物質が混入してしまうことも0ではないからです。
この記事をお読みのあなたが、アレルギー対応ケーキ受注の経験が浅いのであれば、コンタミレベルで反応してしまう方に関しては販売をお断りされるべきです。
⑤ケーキ製造場所の環境について
ケーキの製造現場の状況について、具体的に説明して、ご依頼主に問題ないか確認してください。
「アレルギー対応ケーキを作るときは、アレルギー物質は冷蔵庫などに一切しまわれている状態か」
「器具はきちんと洗浄しているか」
「器具洗浄用のスポンジは、普段使うスポンジと分けられているか」
などなど、包み隠さずお伝えしましょう。
ケーキのご依頼主の反応が微妙だった場合は、製造をお断りすることも大切です。
⑥ケーキの原材料について
ケーキをお作りする前に、ケーキに使われているすべての原材料を明示しましょう。
ケーキをお渡しする時も、すべての原材料が明示された説明書などを同封しておきましょう。
原材料がしっかりと表示されていれば、ご依頼主に原材料を確認いただいてからお召し上がりいただけます。
トイガルテンの場合
当然のことながら、当店のレッスンは食物アレルギー体質のお子さんのお母さんや、ご本人に参加いただくことも多いです。
初めてご参加いただいた方の場合は、必ずアレルギー物質とコンタミについて確認をしています。
ご参加前に問い合わせなくいらしていただいている方の場合でも、コンタミの可能性やお持ちのアレルギーに関して必ずお伺いしています。
万が一の事故を防ぐためです。
このヒアリングがあるため、初参加の生徒さまにはちょっとお手間をかけてしまいます。
しかし、これさえ済めば、あとは楽しくお菓子作りに集中できます(*’ω’*)✨
まとめ:分からないことはすべて確認
以上、食物アレルギーの方からケーキをご依頼いただいた際の対応についてお伝えいたしました。
食物アレルギーの症状は、1人1人異なります。
しっかり確認されることに対して、感謝してくださる方もいれば、細かいとイライラする人もいるかもしれません。
しかし、楽しいお菓子づくりの時間を楽しく過ごしていただくため、ヒアリングは欠かせません。
「あなたの期待に応えられたらいいのだけれど…教えて」という姿勢で、いろいろ教えてもらいましょう✨
ご参考いただけましたら幸いです^^